ツーリングの防寒のポイントは、重ね着する順番といかに薄くまとめて動きやすいものを選ぶか。全身を使ってバイク操作をするライダーにとって、寒い時期の防寒対策は最重要課題。
電気のチカラを借りて身体を温める
昨今の防寒は電気で温める発熱ウェアが一番確実。上下に靴下、グローブまで自分の冷えやすいところを電気の力を使って温めるとかなり快適。
この発熱ウェアは電源が大きく2種類ある。ひとつはバイクのバッテリー(12V)から直接取って発熱するもの。バイクのバッテリーから電気を取り続ける怖さがないわけではないが、一度つけてしまえばほぼ使い放題。
もうひとつは専用バッテリーもしくはモバイルバッテリーを使って発熱するもの。バイクを降りて休憩しているときも発熱するのはうれしい。1回の充電で最長6〜7時間ほど持つから、日が短い寒い時期ならギリギリ持ちそう。夜遅く冷え込む時間にバッテリーが切れるのが怖い場合は予備のバッテリーがあると安心。
防寒のポイントは風を通さず、汗を蒸発させ、体温を逃がさないこと
風を通さない素材といえばナイロン。ウインドブレーカーと呼ばれているもので、その素材からレインスーツ(雨具)も立派な防寒着として使える。温かい空気を保つ機能はないため、重ね着した一番上に着ることが大事。
風を防ぐのと同時に考えるのが、体温を逃がさないことと、汗をすぐに蒸発させること。身体から発した温かい空気を溜める素材はセーターやフリースなど。水分が蒸発するときに温度が下がるため速乾性があるとなおいい。
保温する素材はモコモコする素材でもあるから、重ね着のことを考えて選ぶ必要がある。
重ね着のポイントを下から順に考えてみた
インナーがなにより重要なアイテム
防寒のためとはいえ、ただただ重ね着をするだけでは、全身を使ってバイクを操作するライダーにとって重要な操作性を失うことになる。効果的な重ね着にはインナーが必要不可欠。ツーリングライダー用品メーカーやアウトドアメーカーが出している薄手のインナーはどれもすばらしい。着てバイクに乗るとよくわかる。最近は大手アパレルメーカーや、大手スーパーもプライベートブランドで同じようなモノを発売しているが、普段の生活用と風を切る用ではやはり機能差がある。
空気を溜めこむ素材で保温
薄手インナーの上にTシャツなどを重ね、その上は空気を溜めこむ素材のものを重ねる。具体的な素材でいうとフリースやニット。バイクに乗らなくても誰もが1度は着たことがある防寒素材。この素材で温められた空気をしっかり確保するのだが、モコモコしやすい素材でもある。このさらに上に着るもののサイズを考えて選ぶことが大事。パンパンになると動きづらくなる。発熱ウェアを着るのであればここより下に着ておくことが大事。
外気をシャットアウトするウィンドブレーカー
温めた空気を確保したら、その上には外気をシャットアウトする素材を重ねる。ウィンドブレーカーなどと呼ばれているビニールやナイロン系のもの。革製のものも外気を防げるが重さがあるから全体とのバランスを考えたい。ここまでしっかり重ねたら、あとは隙間をつくらないこと。グローブとジャケットの間、ジャケットとパンツの間、パンツと靴下の間など、身体が動くと関節あたりに隙間ができやすいため、その対策も考えたい。
首もしっかり防寒を
数年前にマフラーをしてバイクに乗っていた方が、チェーンにマフラーを巻かれて事故を起こしたことがあった。マフラー巻いてバイク乗っても違反ではないが、風になびかせることなくジャケット内にしっかり入れておくことが大事。
より安全にマフラーと同じ効果を得られるのがネックウォーマー。電熱のものもあったり、ファッション性が高いものもあってツーリングと相性はいい。
レインウェアも立派な防寒着
標高が高い場所や天気の急変など予期せず寒さに襲われることもある。そんなときはレインウェア(雨具)を防寒に着るのもいい。