ツーリングの計画を立てるとき、確実なルートを進むのに欠かせない地図やナビ。地図は超定番の「ツーリングマップル」。ナビは手軽にスマホのアプリを使うライダーが多い。しっかりナビを使いたい場合はバイク専用ナビという選択肢もある。
ツーリング地図の超定番「ツーリングマップル」
各社から発売されているツーリング用のバッグは「ツーリングマップル」のサイズに合わせて作られているほど「ツーリングマップル」はライダー必携の地図。単なる地図ではなく、オススメの場所や食事、絶景ポイントまでが記載されていることも人気のひとつ。
さらに「ツーリングマップル」のすごいところは、雨に強く、頑丈にできているところ。地図を購入するなら迷わず「ツーリングマップル」。最近はKindle版も販売されているから、スマホの中に常に全国の最新版を入れておくこともできる。
雨に強く、頑丈な「ツーリングマップル」
突然の雨で濡れてしまってもそう簡単には破れない。長いこと使い込むと水分を含んでちょっとは膨張するが、ページが取れたり、印刷が滲んだりすることはない。『PUR製本』という製本技術を採用していてページを360°折り返しても大丈夫な頑丈なつくり。360°折り返した状態でタンクバッグに入れれば、すぐに地図を確認できるから便利。
プラスチック製の付箋のマーキングが便利
紙ではなく、プラスチック製の付箋を使うと便利。プラスチック製というのがひとつのポイントで、これもひとつの雨対策。濡れた紙だと引っ張った瞬間に破れる。日別やエリア別に色分けするともっと便利。
スマホアプリで気軽にナビを導入
現状の選択肢は「Googleマップ」「Yahoo!カーナビ」「NAVITIME(ナビタイム)」の3つ。
一番人気のGoogleマップ
地図上の場所をお気に入りとして保存できたり、パソコンで調べた経路をアプリに送ることもできるGoogle先生の地図アプリ。無料で多くのライダーが使用している。
着々と利用者増えてる「Yahoo!カーナビ」
Googleマップは「より短くより早く」を求めすぎているためか、ものすごい細かい道を案内されるケースがある。その点Yahoo!カーナビは広めの道路を優先して案内してくれる。運転力診断(急加速、急ブレーキなど)も使ってみるとおもしろい機能。無料で利用者が増えている。
電車でもツーリングでも使うなら「NAVITIME」
無料での試用期間はあるが、愛用して使っていくには有料のアプリ。高機能アプリのため、ツーリングだけでなく日頃の電車などでの移動でも使うのであればお金を払う価値はある。
バイクナビの選び方・ポイント
防水・防塵・耐震を考える
まずはなにより水やホコリに強いことが大事。雨の時はバッグに非難させればいいとはいえ、突然の雨ですぐに避難させることは難しく、ホコリやバイク特有の振動からも守らなければならない。防水と防塵の性能は国際規格(IP)で示される。
IPの後に数字がふたつ続き、IPXXというかたちで表記される。XXの一桁目が防塵性能、二桁目が防水性能。
まずは防塵性能。0から6までの等級がある(数字が大きいほうが高性能)が、5級以上であることが最低ライン。4級だと「1.0mmの外来固形物まで保護」となっているため、アウトドア環境には向かない。5級になると「粉塵が内部に侵入せず、若干侵入しても正常利用を阻害しない」という表記でこのレベルが大事。
次に防水。0から8まで等級があり(同様に数字が大きいほうが高性能)、最低でも5級以上は欲しい。4級だと「いかなる方向からの飛沫にも保護」という表記で、小雨程度なら耐えられそうだが、5級になると「いかなる方向からの直接噴流にも保護」、6級だと「いかなる方向からの暴噴流にも保護」という表記のため、ゲリラ豪雨に確実に耐えれるのは6級と解釈できる。7級、8級は浸水なのでバイクナビで使うには関係ないレベル。もちろん、数字が高ければより安心して使える。
まとめると『IP55』が最低ライン。バイクナビをいろいろ見ていると、IPX7のように防塵を表す数字がXになっているものがある。これは防塵テストをしていないことを表している。「水圧を含めて水から守れる」から、チリ・ホコリも大丈夫ということなのかも。。ダートをよく走る場合は防塵も気にしたいところだが。。
最後に耐震だが、これには明確な基準がない。耐震に自信があるメーカーは必ずアピールしているためぜひ確認しておきたい。
積載方法を考える
バイクナビの積載方法は大きくふたつ。ひとつはハンドルやタンクに専用のアームをつけて“マウント”する方法。もうひとつはタンクバッグに入れて使う方法。これは好みにもよるが、アームでマウントする場合は車種やハンドル形状によって方法が異なるためしっかり調べて購入したい。ホンダやヤマハ(ワイズギア)は車種ごとにアームを発売しているから安心。もし対応車種に愛車がない場合は要調査。
電源を考える
電子機器なので当然、電源が必要になる。電源を取る方法はふたつ。ひとつめは電池内蔵型、ふたつめはバイクのバッテリから取る方法。電池内蔵型は大事なバイクのバッテリを使わない反面、利用時間が限られる。バイクのバッテリから取る場合は利用時間に制限がない(バイクのバッテリが万全ということが前提)代わりにUSBやシガーソケットの取り付けが必要になり、この接続部分にも防水や防塵が必要。
ポータブルカーナビとして販売されているナビは、両方を兼ね備えていて、電源から取り外して歩きながらでも使えるようになっている。バイクから外したときの使用時間は1.5~3時間ぐらいが目安。
グローブを装着したままで操作できるか
走行中は操作しないにしても、グローブをつけた状態で操作ができるとうれしい。ライダー向けのまさに「バイクナビ」には当然のようにある機能。スマホ対応のグローブであれば操作できる可能性はあるが、実機を触れるようであれば確認しておきたい。
音声を聞くことができるか
ナビであるからには音声も聞きたいところ。その場合はヘッドセットを別途準備する必要がある(商品によっては付属)。ヘッドセットとの通信の主流はBluetooh。お互いにBluetoohに対応している必要があり、あらかじめ“ペアリング”という設定が必要。ペアリングさえ設定してしまえば、わずらわしいコードもないので快適に使える。また、ヘッドセットにはパッセンジャーやほかのライダーと会話できる機能やハンズフリーで電話できるものもある。
ナビとしての性能を考える
- 画面の見やすさ
- 地図やコンテンツの更新
- 地図以外のコンテンツ量
- 地図の縮尺
- 走行履歴を残す
画面の見やすさ
日中と夜では光の影響で画面の見やすさが異なる。昼の画面は白く、夜画面は黒く表示できると1日中画面は見やすい。タンクバッグに入れる場合はサンバイザーなどでカバーすることで光の影響を抑えることができる。文字の見やすさにこだわる場合は文字を大きく表示してくれるナビを選ぶといい。
地図やコンテンツの更新
せっかく高い買い物をしたのに地図が更新されるたびに買い替えるのは非経済的。優秀なナビはSDカードなどを使ってパソコンでデータを更新できる機能がある。必須機能としたいところ。
地図以外のコンテンツ量
ただ地図を表示するだけでなく、ランドマークや飲食店などの観光情報や、渋滞を避ける抜け道を教えてくれるナビもある。有名どころでは昭文社が提供している「まっぷる情報」を取り入れることができるナビが多い。
地図の縮尺
理想は10mまでの縮尺地図が見れることだが、最低でも50mの縮尺地図が見れるナビがいい。目的地に近づいたときにこのぐらいの拡大が必要になることがある。
走行履歴を残す
一定間隔ごとにGPS情報を記録する機能もある。楽しかった時間を振り返るのもツーリングの楽しみのひとつ。時間設定を合わせておけばデジタルカメラで撮影した場所を後から確認することもできる。